ラグビー場芝生管理 リーグワンで活躍する、静岡ブルーレヴズのヤマハ発動機大久保ラグビー場の芝生管理の一部を紹介します。 作業風景 肥料散布機です。芝生走行用のタイヤ(ターフタイヤ)をはいたトラクターに、ブロードキャスターを取り付けています。ホッパー(逆円錐形の容器)下部にプロペラ羽根があり、回転させて肥料を拡散させる仕組みです。 ティフトン(暖地型芝草)は冬季間に休眠をするため、茎葉が褪色して枯れる欠点があります。冬場がトップシーズンのラグビー場では、来春の芽立ちが困難になります。年間を通して常緑を維持するために、寒地型芝生をティフトンの上に播種する方法があります。これをウインターオーバーシーディングといいます。播種適期は秋分の日頃が良いとされています。 寒地型芝草から暖地型芝草への切替え(トランジッション)をする重要な作業、バーチカルカッティングの様子です。地際から10ミリ程度の深さで連続的に筋切りをしていきます。深すぎると、ライグラスに強いダメージを与えてしまうので慎重に行ないます。 刈り込み作業をご紹介します。芝生は刈り込み回数が多くなるほど、良好な芝生になると言われます。生育して伸びた芝生を刈り揃えると共に、美的演出にもなっているのです。なお、ラグビー場では年間60回!位刈り込んでいるそうです。回数の多さにビックリ(@_@) 自然資材による殺虫剤散布としてセンチュウ入りの生物農薬を散布することもあります。これはセンチュウによる攻撃効果ありとみとめられるコガネムシの幼虫の写真です。センチュウが入りこんで毒素を発生させられてしまったコガネムシの幼虫のカラダは、黒ずんできます。もうすでに真っ黒になってしまっているものも。。。 これがラインを引く機械です。水溶性の白い液を吹付ける事によって、ラインを描きます。ラインは乾くと消えにくくなります。ラインの幅は約12cmです。紐でラインぎめをし、しるしを付けた部分に沿ってラインを慎重に引いていきます。難しそう! こちらは、フェロモン誘引剤を使用したトラップです。コガネムシ類(成虫)をフェロモン誘引剤で誘引し、捕獲します。ラクビー場のまわりの樹木などに6ヶ所設置され、害虫の発生状況を予知することなどができます。 目土散布はグラウンドの表面を均一にならして、芝生硬度の維持などを目的に年間で5~6回行われます。前回工事のバーチドレーンで表層土を持ち出していますから、土の入れ替えにもなります。芝生の成長点に目土が入りこみ、激しいプレイに耐えられる強い根毛の芝生をつくります。写真は目土散布のようすです。 芝地の更新作業(耕耘目的)で使用されるバーチドレーンです。内径17mm中空横抜けのタイン(パイプ)を地下170mm~200mm迄打ち込み、コア(芝根、土の塊)を抜き取っていきます。機械は前進走行しながら深くタインを打ち込むので、周りの土を揺らせ、ほぐす効果もありますね!